第2回お好み焼甲子園開催レポート

雲行きが怪しい6月21日(日)の朝、静岡県内の高校から、今年の戦いに挑む選ばれしつわもの達が集結しました。それはまるでこのあとの嵐のような戦いを予感させるかのように、静かな幕開けです。

第2回目となる「お好み焼甲子園」は、食に対する知識や経験を得ることができる高校生を対象に、誰でも知って、手軽にでき、なおかつたくさんの食材を使うことができる「お好み焼」のレシピを考案することで、家庭教育である「共食」と「地産地消」を推進することを目的に開催されました。各高校のクラブ活動や、学科、また友人同士のグループでも応募できます。今年は、静岡県内の23校304レシピが名乗りを挙げました。

予想を上回る応募に、第1次選考は書類審査で、29レシピに絞られ、第2 次審査では、オタフクソース静岡営業所で、実食審査を実施しました。工夫されたレシピを充実に再現するオタフクソースのお好み焼マイスター達。作ったことのないレシピを巧みに表現し、10レシピに絞り込まれました。

4月1日から応募が始まり、待ちに待った決戦の日がやってきました。
テレビ局や新聞社などの報道陣に紛れ、各校の報道部の顔も見受けられます。多くのギャラリーに見守られながら、決戦の火蓋は切って落とされました。

緊張の面持ちも、実践に入ると笑顔に変わります。一緒にひとつのものを生み出してきた同志。おのずと息が合い、笑顔が弾けます。報道陣があちこち動きまわり、審査員が厳しいまなざしで見つめます。いつもの調子が出ずに、おぼつかない手つきになっても、明るい会話が友達を助けます。それでもやはり選ばれた料理人達。随所に鮮やかな手さばきを披露しました。

それぞれ自分達のお好み焼を自分流に作り上げていきます。審査員にとっても新しい発見があったり、豊富な知識に感心させられたりと驚きの連発です。食材を知り尽くしている者、化学的に分析する者、彼らのレシピは研究し尽くされていました。まさしく、優れた才能がぶつかり合う荒れ模様の戦いとなりました。優劣をつけなければならない審査に頭を悩ます審査員、どれもおいしそうで早く実食したい審査員…。

出来上がったお好み焼を前に、各高校のアピールタイム。マイクを持って、それぞれの良さや学校のアピールをしていきます。菜箸やヘラをマイクに変えると、そこは高校生。ドキドキ、キャッキャッ、可愛らしい笑顔で、またまた審査員の心をわしづかみにします。厳しかった審査員の目尻が一気に下がった時間でもありました。

別室に用意されたそれぞれのお好み焼を吟味し、心を鬼にして審査をした結果、優勝したのは、昨年から2連覇、静岡農業高校あぐり焼きチームの「「ふわっと香る青春の味~みかんとしょうがの刺激的な出会い~」に決定。

みかんの香りが口に広がり、葉しょうがなどが上手に使われています。ジューシーなみかんとオレンジの皮が絶妙に計算されているため、ふわっと仕上がり、重くなりがちなお好み焼の盛り付けもオレンジを添えてさわやかに仕上がっていました。今までにない独特の香りと高校生の域を超えたアイディアと味に加え、料理に対する心構えの素晴らしさが要因となりました。

審査員長の竹田社長の声が響き渡ります。優勝は、「静岡農業高校のあぐり焼きチーム」。4月のレシピ考案から今までの時間が一気に蘇ったのでしょうか、喜びのあまり、あぐり焼きチームのメンバーの目から涙が溢れます。手を握り合って喜ぶメンバー達。一緒に戦った高校生からも大きな拍手が湧き上がりました。

厳しかった審査員の顔もにこやかに変わり、全員の栄誉を讃えます。戦い終えた高校生達の顔も晴れやかに、フードスタジオを後にしました。

そして来年の戦いのために、密かに闘志を燃やす教員達の戦いは始まっている…に違いありません。

共催 お好み焼甲子園実行委員会・株式会社静鉄ストア・キリングループ(キリンビバレッジ株式会社)・オタフクソース株式会社
協力 しずおか健康いきいきフォーラム21
後援 しずおか地産地消推進協議会・静岡県栄養士会

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