炭水化物を抜くと、疲れやすくなる理由
2026.07.01
炭水化物の働き
炭水化物は、ただ「カロリーになる」だけの存在ではありません。体の中ではこんな役割を担っています。
- 体を動かすためのエネルギー源になる
歩く、家事をする、お風呂に入るなど、日常の動きはほとんどが炭水化物由来のエネルギーでまかなわれています。 - 脳の唯一に近いエネルギー源
脳は主にブドウ糖をエネルギーとして使います。炭水化物が不足すると、集中力の低下や判断力の鈍さにつながりやすくなります。 - たんぱく質を「エネルギーとして使わせない」役割
炭水化物が足りないと、体は筋肉や臓器の材料であるたんぱく質をエネルギーとして使い始めます。炭水化物をとることで、体づくりに必要なたんぱく質を守ることができます。 - 脂質の代謝をスムーズにする
炭水化物が不足すると、体は足りないエネルギーを補うため脂質を使います。しかし普段とは違う方法でエネルギーを作ることとなるため、人によってはだるさや疲れを感じることがあります。
炭水化物を抜くと、なぜ疲れやすくなる?
炭水化物は、体と脳を動かすためのメインのエネルギー源です。
これを抜くと、体の中では次のような流れが起こります。
炭水化物を抜いたときの体の反応
①エネルギー源(ブドウ糖)が不足する
↓
②体と脳が「エネルギーが足りない」と判断する
↓
③省エネモードに切り替わる
↓
④だるさ・疲れやすさ・集中力低下につながる
特に脳は、ほぼブドウ糖だけをエネルギーとして使っているため、炭水化物が足りないとぼーっとして、何もしていないのに疲れるといった状態になりやすくなります。
炭水化物が不足すると、体は本来エネルギーに使わなくていいたんぱく質や脂質を使って補おうとします。しかしこの方法は効率が悪く、体への負担も大きめ。
その結果、疲れが抜けにくく、回復しにくい状態が続いてしまいます。
疲れやすさは、体からのサインかもしれない
炭水化物は「太る原因」ではなく、体と脳を動かすための大切な燃料です。
それを極端に減らしてしまうと、体はエネルギー不足に適応しようとして消費を抑える方向に調整します。その結果が、だるさや集中力の低下、抜けにくい疲れとしてあらわれるのです。
「最近なんだか疲れやすい」と感じたときは、気合いや根性を疑う前に、食事を振り返ってみることも大切です。
炭水化物を完全に抜くのではなく、極端な制限よりも、主食・主菜・副菜をそろえることが、結果的に栄養バランスを整える近道になりますよ。
参考URL・参考文献
- 栄養素と食事バランスガイドとの関係:農林水産省
- 朝ごはんを食べないと?:農林水産省
- 米とスポーツ栄養:農林水産省
- 三大栄養素の炭水化物の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
- 炭水化物 - 大塚製薬 栄養素カレッジ
- 監修:全国栄養士養成施設協会・日本栄養士会『サクセス管理栄養士・栄養士養成講座基礎栄養学 (第8版)』第一出版,2023年11月。