脂質=太る、はもう古い!? 体に必要な“ちょうどいい油”の話
2026.04.27
はじめに
「油は太るから控えたい」「ダイエット中は脂質を減らすべき」と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、脂質=悪者という考え方は、少し前の常識になりつつあります。 脂質は炭水化物・たんぱく質と並ぶ三大栄養素のひとつであり、私たちの体にとって欠かせない役割を持っています。
脂質のはたらき
毎日の食事に欠かせない脂質は、体の中で次のような重要な役割を果たしています。
体を動かすエネルギー源になる
脂質は少量でも効率よくエネルギーになる栄養素です。日常生活や家事、仕事で体を動かすための土台になります。
ホルモンの材料になる
脂質は、女性ホルモンを含む体のリズムを保つためのホルモンづくりに使われています。 極端に減らしすぎると、体調やリズムに影響することもあります。
細胞膜を作り、体のバリア機能を支える
私たちの体は細胞の集まりです。脂質はその細胞を包む膜の材料となり、外からの刺激から体を守る役割を担っています。
脂溶性ビタミンの吸収を助ける
ビタミンA・D・E・Kは、油と一緒に摂ることで吸収率が高まりやすくなります。油を控えすぎると、栄養をうまく使えないこともあります。
控えたい脂質と摂りたい脂質
ただし、どんな油でもたくさん摂ってよいというわけではありません。意識したいのは、油の種類と量を選ぶことです。
脂質の中には、体の中でほとんど作ることができず、食事から摂る必要がある脂があります。これが「必須脂肪酸」と呼ばれるものです。 体内で作れない脂を、少量ずつきちんと摂ることが大切です。
控えたい油(摂りすぎに注意)
- 揚げ物・フライ・天ぷらなどに使われる油
- スナック菓子、菓子パン、インスタント食品に含まれる油
- ベーコン・ソーセージ・ハムなど加工肉に含まれる脂
- バター・ラード・牛脂など動物性脂肪が多いもの
- マヨネーズやドレッシングの使いすぎ
これらの油をまったく摂ってはいけないということではありません。 頻度と量を意識しながら、風味づけや「たまの楽しみ」として取り入れるのがおすすめです。
積極的に取り入れたい油(質を意識)
- オリーブオイル、菜種油(毎日の調理に使いやすい)
- えごま油、亜麻仁油(加熱せず仕上げやドレッシングに)
- ナッツ類・種実類に含まれる自然な油
- 大豆製品(豆腐・納豆など)に含まれる脂質
油を積極的に足すことだけでなく、食材から摂る意識をするだけでも大きく変わります。
特別な健康食品を買わなくても、炒め物の油を見直す、魚を選ぶ回数を増やすなど、日々の選び方で脂質のバランスは整えやすくなります。
かしこい脂質の選び方
スーパーでのお買い物なら、サラダ油一択にせず、用途で油を使い分けてみるのもおすすめです。 炒め物にはクセの少ない油、ドレッシングにはオリーブオイルやえごま油、魚を食べる日を増やすだけでも、脂質のバランスはぐっと整います。
「油=悪者」にせず、上手に選んで、ちょうどよく使う。それが、無理なく続く健康的な食生活への近道です。 今日のお買い物から、ぜひ油売り場や鮮魚コーナーにも目を向けてみてください。
参考URL・参考文献
- 脂質やトランス脂肪酸が健康に与える影響(農林水産省)
- 脂質による健康影響(農林水産省)
- 日本脂質栄養学会
- 川端輝江(監修)『気になる脂質早わかり 第2版』女子栄養大学出版部(2025年10月)